書紀によると、613年(推古21年)に「難波(大阪)より京(飛鳥)に至る大道(おおじ)を置く」とあり、奈良県を東西につらぬく大道、すなわち官道が整備されていました。官道とは国家によって整備・管理・維持がなされた道路のことをいいます。
遣隋使や留学僧がもたらした中国文化や仏教伝来にも関わった、古代における重要な道路だったと考えられています。奈良よりさらに東へ向かう連絡ルートとしても重要で、伊勢方面へ向かう人を集めるなど、街道沿いは大いに賑わいを見せたようです。
その大道の一部は現在「竹内街道」、その東端「長尾神社」から東へ延びる道を「横大路(よこおおじ)」と呼んでいます。今なお屋敷や町家の風情のあるたたずまい、奥ゆかしさが魅力の道です。
2013年に竹内街道と横大路は敷設から1400年を迎え、2017年には日本遺産に登録されました。現在関係府県市町村を中心に、「竹内街道・横大路(大道)活性化プロジェクト」が進められ、この二つの道の歴史的価値を広める企画が目白押しです。古道を巡る散策の旅で飛鳥時代を思い描いてみてはいかがでしょう。